不動産の条件変更申立
不動産取引の中でも多いのが「借地」に関する取引です。借地契約においては、地上に借地人がどのような建物を建て、利用をしてゆくかどうかについてあらかじめ貸主と取り決めを交わします。建築前に定められる建物の「種類」「構造」「規模」「用途」はその後借地人が一方的に変更したり、無視して取り決め外の建築物を増築・リフォームすることはできません。
例えば借地人が最初は木造で建築した住宅を、鉄骨造に建て直したり、住宅用として借地した不動産に対して店舗を建て増ししたりする場合には、先に地主の承諾を得る必要があります。この契約後の条件変更は、必ずしも借地人の都合によるものではなく、外的事情の変化やその他のやむを得ない事情により行わなくてはならなくなる場合もあります。
例えば建築年数が経過したことで建物が老朽化してしまったり、のちにできた法令によって土地利用規制が変更されてしまったような場合です。そのように付近の土地利用状況が変化した場合は、現時点で新たに借地契約を結ぼうとすると現在かわしてある契約内容とは違ったものとなるであろうと予想されます。
事情により借地人が借地条件の変更となるような建て替えや建て増しを行わなくてはならない場合で、地主との協議が整わない場合には、裁判所に条件変更についての申立を行います。裁判所は借地条件の変更にあたり、見返りに一定の金銭を地主に与えることを借地人に命じることがあります。